日本語 English

血と汗と涙の結晶

Speaker: リンジー・ワルシュ
Date: 2025年1月28日, 19:00 JST
Location: BioClub Tokyo & Zoom

生命を扱う仕事は厄介なものだ。さまざまな生物の欲望とニーズ、そして出現しつつある生物とその創造者との間には、絶えず緊張関係が生まれている。余剰生産され、操作され、搾取される素材としての生命の技術化は、これらの関係をさらに複雑にしている。本講演では、アーティストのリンジー・ワルシュが、人間-非人間、病気-健康、生命-機械といった文化的二項対立に疑問を投げかけ、クリップ(障害をもつ人)、クィア、インターセクショナル・フェミニズムの視点を取り入れた実践から得た洞察を紹介する。幹細胞からガン、遺伝子組み換え藻類からニワトリ、そしてテクノサイエンスから魔法に至るまで、リンジーは新しい未来を想像し、生きていることの意味を再定義するための技術的追求の過程で流される血と汗と涙を受け入れるアプローチを共有しようと試みる。

リンジーについて

リンジー・ワルシュはアメリカ出身で、ドイツのベルリンを拠点に活動するアーティスト、ライター、リサーチャー。ニューヨーク大学で個別研究の学士号を取得し、西オーストラリア大学のSymbioticA Centre of Excellence in Biological Artsでバイオロジカル・アーツの修士号を優等で取得。リンジーの実践は、思索的な物語と、文化の有形性におけるテクノロジーによって生み出される断絶についての自己エスノグラフィーを融合させたものである。クリップ(障害をもつ人)、クィア、インターセクショナル・フェミニズムの枠組みを用いて、人間と非人間、病気と健康、生命機械といった文化的二項対立に疑問を投げかける。現在、リンジーはトーキョーアーツアンドスペースのレジデンス・プログラムに参加するレジデント・アーティスト。また、ベルリン・フンボルト大学実験生物物理学科初の、そして唯一のレジデント・アーティストでもある。リンジーの作品は、フリーズ・アート・ウィーク・ニューヨーク、フンボルト・フォーラム、ウラル・ビエンナーレ、ベルリン・ビエンナーレ、アテネ・デジタル・アート・フェスティバル、トランスメディアーレ/CTMなどのイベントや機関で紹介され、S+T+ARTS Prize 2024 Honorary Mentionを受賞している。

リンク