「鍋に話し、菌類に聞く」藍染体験ワークショップ ゲスト:ラウ・カッカー
古代の慣習に新たな視点を
人類は何千年もの間、特定の植物から色素を抽出し、藍を使って織物を染めてきた。現在使用されている藍染めのほとんどは合成染料である。藍を含む植物の供給量は比較的少なく、染料に加工するのに必要な労力も、ブルージーンズに対する世界の需要をはるかに上回っている。また、天然染料による染色は、温度や時間、偶然性など、数え切れないほどの要因によって結果が一定しないこともある。
BioClub Tokyoは、フィンランド・バイオアート研究所と共同で、フィンランドを拠点とするベルギー人アーティスト、ラウ・カケルを2024年東京アート&サイエンス・リサーチ・レジデンスに迎える。ラウはBioClub渋谷のラボを使用し、11月に藍染め桶の培養を行う。ラウは、藍染め桶や藍染めプロセスを促進する微生物と対話しながら、天然染料の予測不可能性を探求することに興味を持っている。
特に日本には藍染めの豊かな歴史があり、藍染の藍桶を作り、維持するためのバクテリアに依存した独特の発酵プロセスがある。ラウは日本での滞在期間中、日本の伝統的なプロセスを理解し、自分たちの実践のための新たな洞察を得るために、さまざまな藍染め工房、ショップ、生産者を見学する。この数週間の探求は、11月23日の染色ワークショップでクライマックスを迎える。
桶と個人的に向き合う
ラウの実践とこのワークショップは、藍染めの不安定さと予測不可能さに寄り添い、発酵プロセスを通して桶の中で開花し変化するマイクロバイオームに焦点を当てる。少人数のグループでラウと一緒に、言葉やジェスチャーを通して藍桶の在り方やコミュニケーションについて話し合う。
このワークショップでは、ラウ・カーカーがレジデンスでのリサーチを紹介し、参加者に藍桶やバクテリアとのコミュニケーションについて考えてもらいます。参加者は藍桶に語りかけ、藍桶の声に耳を傾け、染色を可能にするバクテリアとの関係を深めていく。参加者は、染めるための小さな(25cm²までの)オーガニック・テキスタイルを持参することが奨励されるが、これは必須ではない。
音と画像はラウとイベントスタッフによって録音され、将来出版物に使用される可能性があります。参加者の皆様には、録音へのご理解とご協力をお願いいたします。
お申し込み
Peatixにてお申し込みください。参加者は8人に制限されていますのでお早めにお申し込みくださいませ。
ラウ・カッカーのプロフィール
ベルギー出身で、フィンランドのヘルシンキを拠点に活動するアーティスト兼キュレーター。ヘルシンキのBioart SocietyとMaa-Tilaで活動。彼らはブリュッセルのERGで美術と人類学を専攻し学士号を取得、ヘルシンキのUniartsで交換留学をした後、ヘルシンキのアールト大学でテキスタイル副専攻とともにキュレーションとアートの修士号を取得した。人類学、異種間関係、クィア理論と芸術実践の交差に取り組んでいる。ラウの研究は、フィンランドに根ざした共同作業に基づいており、採集と工芸の実践を、人間以上のものとのさまざまな対応形態として調査している。ラウはこれまでの出会いの中で、バクテリア、羊、菌類、植物、風景、水とのつながりを探求し、種の境界を越えて知識を深めてきた。現在進行中の研究では、家畜化、場所作り、帰属の概念をさらに研究し、人間と土地のコミュニケーションについてより広い理解を深めたいと考えている。
このイベントは、フィンランドセンター、The Finnish BioArt Society、BioClub Tokyoが主催する「フィンランド・アート&サイエンス・レジデンス」の一環。