ラウ・ケイカーがBioClub TokyoのTokyo Art & Science Research Residencyに選ばれる
2024年度東京アート・サイエンス・リサーチ・レジデンスの公募に、今回も多数のご応募をいただきました。東京アート&サイエンス・リサーチ・レジデンスに関心を寄せてくださった応募者の皆様に感謝申し上げます。最終的に、アーティストでありキュレーターでもあるラウ・カーカーがこの機会に選ばれました。
ラウはレジデンス期間中、日本における藍色の伝統、そのプロセス(採集、栽培、発酵、染色など)、そして植物、バクテリア、モラロイド、人間の出会いを軸とした種間コミュニケーションに関する現在進行中の研究に取り組む予定です。藍桶の流動性の中で起こること、藍について語られる物語、藍の家の中に招き入れられるものを探求する予定だ。彼らは発酵した藍桶を作り、そのバクテリアのコミュニティと協力し、その変容を記録し、耳を傾け、触れ、コミュニケーションをとるさまざまな方法を試みる。ラウは、藍桶の思いやりと工芸的なジェスチャーを通して、多孔性の藍桶の「言語」、世界と共鳴する帰属の儀式を解き明かしたいと考えている。
さらにラウは、藍について語られる物語や、人々が藍桶にどのように語りかけるのか、また藍桶をめぐる工芸的慣習(例えば、結び、織り、しばりなど)にも興味を持っている。日本の織物文化からインスピレーションを受け、地元の染色家、芸術家、科学者と協力して、藍桶に宿る種族間の対応についての理解を深めたいと考えている。
「藍桶の生命力により深く飛び込むことを楽しみにしていますし、これから来る人間や人間以上の出会いにとても感謝しています」とラウは言う。
ラウ・カケル(they/them)はベルギー出身で、フィンランドのヘルシンキを拠点に活動するアーティスト兼キュレーターである。ヘルシンキのBioart SocietyやMaa-Tilaのメンバーでもある。彼らのプロジェクトでは、帰属の概念に関する研究によって形成された、集団的で架空の家の意味を探求している。人類学、異種間関係、クィア理論、芸術的実践を交差させながら活動している。
ラウの研究は、フィンランドに根ざした共同作業に基づいており、採集と工芸の実践を、人間以上のものとのさまざまな形の対応として調査している。ラウはこれまでの出会いの中で、バクテリア、羊、菌類、植物、風景、水とのつながりを探求し、種の境界を越えて知識を深めてきた。現在進行中の研究では、家畜化、場所作り、帰属の概念をさらに研究し、人間と土地のコミュニケーションについてより広い理解を深めたいと考えている。
ラウは2024年後半に来日する予定。
選考委員は、BioClub Tokyo、フィンランド日本研究所、SOLU - Bioart Societyのメンバーで構成された。レジデンスはBioClub Tokyoがフィンランド日本研究所の協力を得て主催する。
2025年の東京アート&サイエンス・レジデンシーの募集にご注目ください。BioClub Tokyoでは、アーティスト・イン・レジデンス・プログラムへの直接応募も受け付けています。
フィンランド・バイオアート協会(https://bioartsociety.fi/projects/tokyo-art-and-science-research-residency/posts/lau-kaker-selected-for-the-tokyo-art-and-science-research-residency)より。